生産性新聞8月25日号に ”人脈のアントレプレナー”というコラム記事を書いた。ホットタイムというコーナーで、息抜きに読むような短文である。
アントレプレナーという言葉がフランス語であると知っている人は多いが、その語源は意外と知られていない。これは、 entre なにかとなにかの間で + preneur 得る人。つまり、仲介者、媒介者である。今までになかった技術やサーヴィスと資本を結び、商品と消費者の間に入って儲けるのが起業家であるから、語源もなるほどと納得がいく。
ネットワーク分析では、我々、分析屋は、関係のある部分よりも、むしろ、関係がない部分に注目する。関係が不在の所、ない場所を、「空隙」Structural hole という。関係のある部分ではなく、ない部分に注目し、そこを架橋することで優位性を得ることを、空隙戦略とも言う。人は自分の知人を増やしたがるが、知人と知人を結びつけるということはしたがらない。その理由はわからないではない。だが、人脈を豊かにしたければ、数の増加もいいが、人間関係の架橋を考えてみてはいかがなものか。・・・ という趣旨の文章。
ネットワーク分析屋にとって、一番、困惑させられるのが、完全グラフだ。すべての人がすべての人とつながっている状況である。きれいではあるが、関係に散らばりがないと、説明変数を導き出せなくなる。誰と誰の間が、つながっていないのか。どの企業とどの企業にあるべき関係がないのか。関係の不在こそが利益の源泉である。禅問答のようだが、ない関係、関係の不在こそが、空隙の優位性を生み出すのだ。
詳しくは、Ron Burt 教授の Structural Holes を読んで欲しい。(なお、翻訳本を、この秋には出せそうです)♪
(有限会社)社会ネットワーク所 取締役社長 安田雪(Ph.D. in Sociology) 人脈・組織・企業・地域・都市の社会ネットワーク分析、信頼できる仲間のつくりかたなどについて講演のご依頼もおひきうけいたしております。著書は『ルフィの仲間力』『ルフィと白ひげ』(ともにアスコム)『ネットワーク分析-何が行為を決定するか』(新曜社)『つながりを突き止めよ』(光文社)など多数。
Monday, August 28, 2006
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