Tuesday, August 29, 2006

ミクシィ SNSの集客力

 日経新聞1面に ”ネット企業 世代交代の波”との記事。上場を控えてか、月間閲覧数で、ミクシィが楽天を超えた等々。3月のコンピュータ産業研究会でも、社長の笠原氏が、「閲覧数も増加しているが、特徴的なのは、閲覧者の滞在時間が長いこと」だと強調しておられた。ミクシィは、ご縁があってデータ分析させていただいたこともあり、私も長らく愛用させていただいている。
 mixi http://mixi.jp/ に限らず、SNSの集客力は、自分の友人が、誰とつながり、どのような友人をもっているのかを知ることができる点(マイミクにどういう人物が含まれているのか)にあると思われがちだが、これは誤り。今は、知人を知る機能は、二次的なものだと私は思っている。
 では、SNSがリピータを獲得し、閲覧時間を増加させるメカニズムで、もっとも重要なのは何か。
 それは、SNSと日記のコンビネーションである。単なるブログとはやや違う。
 自分の友人が、自分以外の他者には、日々、どのような姿を見せているのか、自分の知らない所で、友人がどのような社会関係を築き、そのなかで、どのような行動をしているのかを、日々、理解できることだ。ATRの湯田氏のいう「関係の地平線」の向こう側を、SNSは少しだけ私たちに知らせてくれる。関係の地平線とは、知人関係の連鎖は果てしなく広がっていくが、自分が知ることのできる範囲はきわめて限られているということだ。知人の知人の一部を知ることは可能だが、その全体を我々は把握することはできない。夫婦でさえ、親子でさえ、お互いにすべての知人を知っていることはないのだ。
 だが、私の知らない他者とあなたの関わりを、snsはリアルにうかびあがらせる。日記に書き込まれる様々な行為の記録は、その人が友人、知人に見せている様々なパーソナリティの最大公約数として集約されていく。様々な社会関係のなかで、どのように他者が生きているのか。
 知人関係と行為の記録とのコンビネーションが、社会的な広がり、時間的な広がりをもって展開するSNS。この春、学会で話を聞いたOrkut氏についてもまた、いずれ書く機会があるだろう。

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