Wednesday, November 22, 2006

FAQ-4

Q. 複雑なグラフが与えられて自分で分析する時に、具体的にどうやってブロック化したり、最短パス長なりを求めるのか、ポイントがあれば教えてください。
A. ネットワークの特徴量を把握する指標は数多くあります。ネットワークのどんな特徴を理解したいのかによって、使う指標は異なってきます。探索的な分析の場合は、サイズ、次数分布からはじめ、密度、距離、クラスタリング係数など、一連の分析をしてみますが、定番があるわけではありません。現在、標準的な探索的分析ルーチン(試案)について書いた拙論が印刷中です。

Q. ループの意味をもう少し説明してください。
A. グラフにおいて、ある頂点をそれ自身に結ぶ弧をループ(Loop)といいます。Lopeではありません、念のため。

Q. 多重辺について詳しく説明してください。
A. グラフにおいて、異なる二点を結ぶ二本以上の辺を多重辺といいます。

Q. 主要取引先のデータをとる際に、厳密に調査はできなかったのか。
A. 郵送調査あるいはインタビューを行い、部品に限定して主要な取引先を尋ねるという方法もあります。コストを考えると郵送調査が妥当でしょう。一度、調査票を丁寧に設計して実施してみたいと思いますが、日産データのあとの課題です。なお、部品に限定すれば、「主要自動車武神245品目の国内における納入マトリックスの現状分析」という高価な資料もありますが、部品ごとの納入企業の特定になるので、取引の全体像を構成するには十分とはいえません。

Q. ブロック間の関係を表す数値はノード数にも影響されるとのことですが、どういう場合に数値が0や1になりますか。
A. ブロックを構成するノードがすべて孤立点の場合は、ブロック内関係は0になります。ブロックを構成するノードがすべて連なっている場合には、ブロック内関係は1になります。

Q. 組立メーカーの協力会の取引先データがグラフであらわされたとして、経営にはどういかすのでしょう。
A. 取引先の取引先が取引先であるとすると、信頼を損なうような行為、あこぎな取引はなかなかしにくくなるのではないでしょうか。企業取引が、相互取引関係に「埋め込まれている」状態です。グラノベターの言う埋め込み概念です。相互の取引関係を理解したうえで取引を行うこと、また全体構造のなかで自社が占める位置を理解することは、大事なことだと思います。

Q. 協豊会に所属せる、直接トヨタに部品を納入する企業は存在しないのでしょうか。
A. 正確なところがわからないので、確認してみます。

Q. ネットワーク分析では、主体のいろいろなつながりをすべての面から平等に分析できず、一部の面にならざるを得ないのでしょうか。
A. おっしゃるとおり、主体が埋め込まれている複数の関係のうち、特定の関係をとりあげ、分析をします。他の種類の関係は混在させずに、別ものとして扱います。なお、コンテクストで関係を分け、複数の関係を扱う場合には、関係多重送信性という概念を用いることもできます。

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