Saturday, September 09, 2006

元カレモデルをRで 学際研究

 このところ、最も精力的に追いかけている課題は、「恋人の恋人ってたどっていくと何人につながっちゃうの?」である。Rを使ってのシミュレーションなのだが、工学系のきわめて優秀な学生さんと、実験を繰り返し、論文を修正している。
 これは実は、公共広告機構の名コピー「彼氏の元カノの元カレを知っていますか」に触発された研究なのだが、このコピーを作られたライターさんはどなたなのだろう?すばらしい感性のかただ。一度、お会いしてお話をしてみたい。どなたかご存知のかたがいたら、ぜひごお教えください。
 
 さて、「元カレ」モデルと我々は呼んでいるのだが、実はこれは奥が深く、手ごわい。
交際相手の選択ルールを、
 (1)交際経験の少ない相手を積極的に選ぶか(感染症を考えたらこちらが、安全)、
 (2)交際経験の多い相手を積極的に選ぶか(魅力度と学習効果を考えたら、こちらがお徳か)。
地理的近接性と、ホモフィリー原理(似た人が好きな♪傾向)とをどう考え分けるか
パラメータも知人数の平均値、交際数の平均値。後者は前者を超えてはならぬなどなど。同性愛者はとりあえず考えないが、ともかく、奥が深い。
 恋人の恋人ってたどっていくと何人とつらなる連鎖ができるのか。交際人数によって、どれほどその範囲が広がるのか。この不思議な連鎖、見えない連なり問題を解くべく、工学(&マーケティング)+社会学(&経営学)のコラボレーションでネットワーク分析に邁進中。

 結果は、9月27、28日に日本ソフトウェア学会の阿寒湖での、第二回JSSSTネットワークが創発する知能研究会で公開の予定。

(裏話)
 実は、この会合にわざわざ阿寒湖まで飛ぶつもりも予定も、毛頭、無かったのだ。去年、伊豆で開催された第一回目の会合で、学際研究の難しさをしみじみ感じたからだ。・・・言語のずれ、問題設定のずれ、協働意欲、相互関心の欠如、狭い領域で独自性に落ち込む危険、何よりも他領域の先行研究をレビューせず、学術的文脈を無視して独善に陥る。実は他の領域をちょっと調べれば新規性のないことを発見かのごとく喋る怖さ・・・(あくまでも、他人のことではなく、自分への戒めとしてです。念のため。)
 だが、今回は、優れた学生さんと組んでみて、社会科学系+理工系の協働研究の可能性に手ごたえを感じている。そこで、参加・報告してご意見をいただき、反応を知りたいという気持ちになった。先日の山形の会合で何人かの先生がたと話してみて、少しいい感触を得たということもある。
 やはり、一番楽しいのは、萌える研究テーマにつっこんでいる時である。

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