Tuesday, October 31, 2006

Pajek 竹の水仙 甚五郎

 講義後。「pajekによる探索的ネットワーク分析」の翻訳プロジェクトについての打ち合わせ。
 スロヴェニア語で蜘蛛を意味する、pajekは、大規模ネットワークの分析用のソフトである。近年、INSNAのゲストスピーカーに開発者が講演にいらっしゃるなど、その存在感を高めている。UCINETに続きまちがいなく、定番になっていくだろう。
http://vlado.fmf.uni-lj.si/pub/networks/pajek/

 上記の本、単なるマニュアル本ではなく、家系学、サイテーション連鎖、伝染などの事例も豊富であり、従来のベタなイメージの「社会学」の社会理論の検証のためのネットワーク分析とは一線を画していることを強調。近年の、日銀、統計物理、医学、代謝系のかたがたへのひろまりなどの話をして終わる。元々、歯に衣着せぬ編集者のかたで、以前お会いした時に仰天したのだが、今日もあいかわらず、ユニークな発言をしてくださった。A出版社、反応が楽しみである。他にも可能性は検討するが、出版社がいくつNGでも、弊社でコード番号つけてご希望のかたにお譲りする体制は作るつもりだ。
 目標は新春。早く、使い手としても腕を上げたいところである。

 開発者のかたとは、昨年10月にチューリッヒの会議でお会いしたが、まだ若手の30代の研究者(博士論文のテーマとしてこの開発をなさっったとのこと)Andrejと、その先生である。Andrejが緻密、地道、寡黙なソフト開発研究者のイメージであるのに対し、この先生は、まるでハイジに出てくるおじいさんのように、恰幅がよくひげをはやしていて、悠々たるもの好印象の先生であった。自力でプログラミングすること無しに大規模ネットワークの解析をするには、このツールは不可欠。日々、発展し新指標を組み込んだ改良版がでているので、インターフェースの使い勝手は、まだまだ改善の余地があるが、目は離せない。

 豊田秀樹先生 いい本、「数理統計学ハンドブック」監訳なさったようだ。朝倉書店。高価だが欲しい。彼は本当にいい仕事をする。共分散構造分析の左甚五郎のような人。昨夜、落語の本を読んでいて、そう思った。(寄席に行きたいが、行く時間がないので、最近は毎夜、落語の全集を読む。やはりいいのは、古いが興津先生のもの。流れ、言葉、やはり勉強になる)。

 その他、20時過ぎまでの会合では、むにゃむにゃ多いが(これは内田氏の表現のまね)、それらはまたいずれにする。
一つ重要な良い仕事=儲からないが、ずっとやりたかった仕事が来る。具体化は今後だが、おかげで今日が良い日になった。

 神様にだけ捧げるような仕事ができればいいと思う。ここのところ、お金、つきあいなどなど、やっつけ仕事が多すぎて、アウトプットの質が悪く、反省。知的、論理的、経済的、使命感=合意 なくして仕事をすると、あとでまた自己嫌悪に駆られる。で、評判もさがり悪循環にはまる。当たり前のことだ。
 金銭、つきあいに関係なくてもやりたいと思う仕事を選び、そこに全身全霊をかけること。左甚五郎のネズミの落語が思い出させてくれたのは、その感覚。拙著「働きたいのに働けない・・・・」論座連載の初回を書いていた時の、あの、カミソリのような、静けさ。フリーランスとしての生き方は、かつてもBlogに書いた、伝説のS氏。「見境なく仕事をうけるのは、貧乏」を、思い出す。貧乏で悪いか(笑)・・・と笑い返したが、それで質を落とすならおおいに悪いのである。

 甚五郎の反省とともに、あらためてまた仕事を選び、魂をこめた仕事をするようにしたい。(どこまでできるやら(笑))
竹の水仙 木彫りのねずみ

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